第9章 Contenda com minha mãe
ー潤sideー
斗真「よ、潤」
「よう。久し振り」
斗真「最近真面目に来てるな」
笑顔の斗真が俺の隣に座ってくる。
「ちゃんと単位取っとかないとさ。向こうに戻れないから」
斗真「そっか。じゃあもうずっと向こうに?」
「うーん。暫くはそうなるかな。やりたい仕事…向こうで声掛けて貰ってるし。こっちじゃ今から就活しても無理だしな」
斗真「だなぁ」
「うん」
斗真「潤。真央の事なんだけど」
「………」
斗真「傍に居てやりたい。いいか?」
「………ありがとう。頼むよ」
斗真の背中をポンと叩くと斗真が笑った
数週間前、真央に別れを告げた時、怒り狂った彼女に何発も殴られ罵倒された。
彼共通の友達にも総スカンをくらい、大学で1人で居る事が増えたけど、斗真だけは変わらずに居てくれた。
「ありがとうな」
斗真「じゃあ飯奢って」
「ふふっ、いいよ」
笑いながらハイタッチをするタイミングで俺のスマホが音を立てた。
「ちょっとごめん」
スマホを見ると、あ画面に映し出された『兄さん』という文字。
斗真「出ないの?」
「うん…いや」
斗真「出たら?大事な用かもしんないよ」
「そうだな…ごめん」
斗真「おぅ」
スマホをタップしながら俺は図書館を出た。