第8章 Terminar
「あっっ、はぁっ、あんっっ…」
智「っっ、翔くん締め過ぎっっ…」
「もっ、と…強く抱いて…っっ」
彼の背中に手を回し、密着する。
彼がそのまま腰を支えながらより深く入って来る。
俺達の繋がる音。
それを聞きながら何度も智くんにキスを求めた。
「あ、イ、イくっっ…智くんっっ…!!」
彼の背中に爪を立て、白濁を吐き出した。
智「いっ、あ…!!」
智くんが腰を引き、腹に溜まった俺に混ぜる様に吐き出してくる。
智「はぁっ、ふぅ…翔くん…今日凄いな…」
「はぁっ、ん…」
息を切らす俺にキスをして、智くんが隣に横になる。
智「………弟くんは?居ないの?」
「………出てった。恋人と同棲するって」
智「………そっか」
「急に呼び出してごめん。家…大丈夫だった?」
智「平気。『友達と飲みに行く』っつったらキレられてさ。実家に泊まるって出てった。今頃俺の愚痴だろうなぁ」
「ごめん…」
智「いいよ。最近あいつ子育て疲れてるみたいでさ、俺に八つ当たりばっかして居心地悪いんだよな…」
智くんが俺を抱き寄せながら、溜め息を付く。
「………」
智「………部屋も何か様変わりしてさ。ほら、うち黒ばっかだったじゃん?今じゃベージュばっかだよ。何買うにもベージュ。カーテンもベージュ、ベッドシーツもベージュ。ラグもベージュ。ベージュベージュベージュ…」
「ベージュが良かったんだろ?」
そう言って起き上がる。
「ベージュがいいって言ったのはあんただよ。自分でベージュを選んだのはあんた。違う?」
智「分かってるよ。分かってるけど…でも…」
起き上がる俺を後ろから抱き締める。
智「喧嘩したくて俺を呼んだの?」
「………違う。ごめん」
振り返ると、重なる智くんの唇。
舌を這わせながら…俺達はまたゆっくりとベッドに沈んでいった。