第1章 祇園健次と年上の彼女
ラグビーもおもしれーけど
それと同じくらい好きなものがある。
「おーいウド!!早く来い!タックルさせろー!」
「えぇ・・・祇園くん今日先にランパスだよ・・・」
春から始めたラグビーは俺んなかでは一番むちゅーになれるものだった。
でも、同じ頃に出会った凉子先輩にも同じくらいむちゅーになっている。
ウドを倒して(ほんとは3回くらい倒せなかったけど)、泥まみれになった顔を払ってふと校舎の方を見ると凉子先輩の横顔が見えた。
今日は日直の仕事があるから部活見に来るのは遅くなるって言ってた。
髪の毛がさらっさらで目がでっけー。
俺よりちょっとでかいのはくやしいけどでかくなって横に並びてー。
「よーし!ウド!もう一本やるぞ!」
まだ準備運動中だし、もうちょいいけっかなーと思っていたら、凉子先輩がこっち見たのが視界の端に入った。
窓の淵に腕をかけてこっちを見てる。
嬉しくなって思わず手を振る。
「凉子センパーイ!」
凉子先輩も手を振ってくれる。
「どうしたの?祇園くん」
隣で石清水が同じように校舎を見上げる。
「よっし!ウド!今日も部活頑張るぞ!」
先輩にかっけーとこみせてぇ!