第1章 目が覚めたら赤安(らくえん)でした
…よし、あった。
部屋の片隅でカバンを漁り、スマホを手に持つ。
今までは薄い本でしか見てなかった赤安がリアルで目の前にいる……っ!
赤安を前にして涙目でお祈り(?)をしてからシャッターを構える私は傍から見たら相当変質者だろうな……
カシャッ
寝顔赤安最高かな…いや、でもこう…もっと近づいてくれてもいいのよ…?
私が寝ていた場所がぽっかり空いてしまっている。うーん、赤井さんの腕が安室さんのお顔とかに来るぐらいの距離感がいいんだよなあ
そんな事を思いながらそーっと赤井さんの腕を安室さんのお顔へ持っていく。
ボスッ
「あ」
やっちまったーー!?
なんてことだ、赤井さんの麗しい手が安室さんの麗しいおお顔の上に落ちてしまった!!こ、これはさすがに……
「…ん」
ですよね!起きますよね!!
顔に落ちてきた腕を寝ぼけて振り払いながら、目を擦りこちらを見る安室。
そして私に気付くや否や、ギョッとした顔を見せて後ずさる。
そして後ずさった先は……
「……Good morning……安室くん……?」
大きな欠伸をして安室と私を見比べ、何事も無かったかのようにニット帽を見つけて被る人。
「あっ……赤井ィィィ!?」
胸元にしまっていた拳銃を構える安室さん。そしてその行為があっても平然としている赤井さん。
この場の説明をするべく、拳銃を仕舞うよう私は安室さんに伝えたのだった。
「……で、貴方は何者なんですか。何故我々を知っている」
警戒心丸出しでこちらを睨みつけながら聞く安室さん。
とりあえず2人をベットの前のソファーに促しアイスコーヒーが注がれたコップを渡す。
「うーん、私はただの一般人なんですが…。
というか、つい先程まで夢だと思ってましたけど夢じゃないんですね」
そう言って軽く自分の頬を引っ張ってみる。
……痛い、これはやはり夢じゃないのか……
「夢……とは?君が我々を拉致したのではないのか」
「いや、こんな小娘がFBIと公安を拉致とか無理ですよね、寧ろなんであなた達イケメン2人が私の家に不法侵入してるんですか?え?てか本物なんですか?クオリティ高いコスプレイヤーですか?」
そう。夢でないならこの人たちはなんだ?顔も声もそっくりで性格まで似せてる不法侵入コスプレイヤーと思わない限り無理があるぞ。