第1章 目が覚めたら赤安(らくえん)でした
未だ信じられず、怪訝な顔で私に降谷さんが問いかける。
「……その証拠は、あるんですか?」
証拠ならグッズや本で溢れかえってるこの家にも外にもどこにでもあるが…今更だけど、伝えてもいいのだろうか…?
伝えたことで、原作に影響は?ていうかこの2人これからどうなるの?私はどうすればいいの…?
「……えっ…と…」
この証拠だらけの部屋をちらりと見渡しつつ考えていると、私の視線に気がついたのか、ひょいと赤井さんのぬいぐるみを持ち上げた赤井さんが口を開いた。
「俺たちに似たぬいぐるみや、ボウヤに似たキャラクターが描かれた本が沢山あるな。ここまで似ていると証拠と言えるんじゃないだろうか」
「………確かに最初は気が動転していて気が付きませんでしたがかなり似ていますね…。
失礼ですが、部屋を少々見させて頂いても良いですか?」
うわぁ……という表情をしながら赤井さんの持つぬいぐるみを受け取る降谷さん。
個人的にその絵面かなり美味し……じゃなくて、ここまで来たらもう見せるべきだろう。ここで見せなくても、きっとこの人達ならすぐに調べあげてしまう。
「……どうぞ、ご自由……に……いや、ちょっと!ちょっとだけ待ってて下さい!!」
スコッチの事とか、こんな形で知って和解(しない気もするけど)とかするのかなあとか最初思ってたけど、重要な事を思い出した!!
私は腐女子の一人暮らし。彼氏いない。普通の本に紛れて薄い本があるじゃないかあっぶねー!!
表紙も隠しつつ、「これは違う漫画なので!!」なんていいながらベットの下へ隠す様子をポカンと見られてしまった。違う漫画!嘘はついてないよ!!
…ま、さすがに無断で覗いたりしないだろう。
「お騒がせしました…改めてまして、どうぞ。」
そう言うと、2人は片っ端からグッズやら本を手に取って物色を始めたのだった。
数分後、凄い剣幕の降谷さんが私に近づいてきた。
「……なあ、これはなんだ……!?」
「赤井さんと降谷さんのキーホルダーですけど……」
「キーホルダーなのは見たら分かる!しかしな、なぜ俺(?)と……赤井でセットなんだ!しかも大量に!まさかこの世界で俺達は仲良しこよししているのか!?」
……公式だからと油断していた。
私から見たら同じ空気すってるだけで美味しい(重症)からなんでも良いんだけど、この人はそれが嫌なんだもんなあ……