第1章 目が覚めたら赤安(らくえん)でした
待て待て待て!!これはどういう事なの……
朝起きたら、左隣にいる降谷さんに腕枕されていて、右隣にいる赤井さんに抱きしめられているこの状況。
……ここが、楽園か。
まだ私は夢を見ているようだ……部屋がまんま私の部屋とはリアルな夢だな……
ちらりと左と右を見て、改めてイケメンなお2人だと再確認する。こんな素敵な夢、またいつ見れるか分からないんだ。今のうちにしっかり見ておこ……
規則正しい寝息を聴きながら、降谷の顔に近づき、凝視する。目の下のクマが酷い……彼の事だ、きっと何回も徹夜を繰り返し、寝ていないに違いない。…しかし、ずっと見ていると愛おしく感じてしまい、サラサラな髪を少し撫でてみる。
警戒心が強そうなのに起きないと言うことは熟睡しているのだろうか…
触り心地の良い髪だなあ、なんてにまにま触っていると、
「ぶふっ」
いきなり腕を引っ張られ、気がついたら降谷さんの腕の中。
ま、まずい!起きちゃった…?
「んー………もうちょっと……」
むにゃむにゃと口が動いているが目は開いていない……どうやら彼も未だ夢の中のようだ。私の夢の中で夢見てるのかこの人、可愛すぎる
すぅすぅ……と、降谷さんの吐息で私の前髪が揺れる……
これはそろそろ離れないと私の理性(?)が持たない……
バクバクの心臓のまま、私に絡む褐色の腕をゆっくり持ち上げて離れる……よし、起こしてないな。と思うや否や後ろにグイッと引っ張られて次は赤井さんの腕の中。
「ごふっ」
なになになにこの人達!?!?ホントは起きてんじゃないの!?!?心臓持たないよ!!殺す気か!!!
うるさい心臓を落ち着かせながらも、そーっと後ろを振り向くと、やはり熟睡しているようで目をぴくりともさせずすやすや眠る赤井さんがいた。
この人も隈が凄いな……あ、でもこれはあれか、元々そういうビジュアルだもんなあ(失礼)
ていうか寝てる時もニット帽付けてるの……?外せばいいのに……
起こさないよう、赤井の腕を離し、そーっとニット帽にも手をかける。ゆっくり外して……っと、これでよし!
……さて、これからどうしたものか。折角の夢だし赤安いるんだし、撮影でもすればいいのかな?()
私の方に顔を向けて寝ているイケメン2人。真ん中でぽつんと座ってみたが、そう決心するとスマホを構えるべく、そーっとベットから降りた。