第2章 夏の話
先ほどまでの巫山戯た空気は霧散して、顔中にキスの雨が降ってくる。
まるで壊れ物を扱うかのように優しく撫でる手は、厭らしい動きをしているのに少し擽ったい。
「ん、ねぇヴィクトル、下の方触ってほしい、だめ?」
「もちろんいいよ、今度は集中してね?」
からかう様な声でそう言ったヴィクトルの指は予想外にも膣ではなく陰核へと伸びてきて、そこを捏ねるように弄くられた。
「ゔぃく、とるぅ、そこ、やだぁ、なか、なか擦って」
「ん?どうして?クリ擦られるの気持ちいいでしょう?」
「ゃぁっ、そこ嫌なのっ」
多分マッサージ器で責められて以降、彼が触るだけで強い快感を拾うようになってしまってたらしい。
またあんなふうにイってもイっても止めてもらえないんじゃないかとそんな不安も手伝って、陰核を触られる事自体に苦手意識が付いてしまったらしい。
「もうあんな意地悪しないから大丈夫だよ、今日はもう触らないからちょっとずつ慣れていこうね」
嫌がる私を困ったように見つめていたヴィクトルは、どうやら原因を察したらしく、それから指を離して膣へと指を差し入れ、あやすように話しかけてくれた。
元々濡れていた事もあり、1本2本と指が増えていく。
そして3本目の指が入ってきて、何度か中を擦られた後
「そろそろいいかな、力を抜いててね」
ヴィクトルは指を引き抜き、代わりに勃起して血管の浮いた自身を割れ目にぴたりと宛て、胎内に押し入ってきた。
いくら慣らしたからといってもすんなりと入ってくれる大きさではないため、ヴィクトルはゆっくりと腰を進め、やがて根本まで挿入するとゆるゆると抽迭を繰り返す。
「はっ、久しぶりのエリの胎内、気持ちいいよ」
「ぁん、わたしも、きもちいい」
だんだんと激しく出し入れされ、奥をコツコツ突かれれば甘い嬌声が漏れ出した。
「はぁ、ああんっ、それ、奥あたってきもちいいっ」
「ん、ここ?いいよ、いっぱいしてあげる」
互いの息遣い、濡れた水音、揺すぶられ肌がぶつかりあって生まれる音、全部が快感を助長させる要因だ。
大きく腰をグラインドさせながら乳首を舌で転がして、時折ちゅうっと吸っている彼の頭を抱き込めば、よりいっそう強く吸われて軽く噛まれた。
それによって快楽の絶頂に導かれた私は背中を弓なりに反らし、彼のモノを締め付けながらイってしまった。