第2章 夏の話
※引き続きオリキャラ出ます。
「ねぇエリ、今度遊びに行ってもいい?オンセンに入ってみたいわ!」
「うん、もちろん!あ、今ならうちにヴィクトルもいるよー」
「やだ、そういえばユーリ・カツキってエリの弟だったわね。忘れてたわ!もう!今行ったらヴィクトル目当てで行くみたいじゃない、彼が帰るまで行けないーっ」
「あはは、ナターシャがそんな娘じゃない事は私が知ってるから大丈夫、いつでも遊びに来て」
「エリ〜好き〜!!またこっちにも遊びに来てね!」
そうして楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、私達は日本へと帰る飛行機に乗り込んだ。
日本とブルガリアの時差は7時間。
今はサマータイムで6時間だけど、フライト時間に乗り継ぎも含めおよそ14時間30分以上かかるので帰る頃には8月になっていた。
「ただいまー」
ミナコ先生と一緒に家へ帰ると、お母さんが玄関まで出てきてくれた。
「おかえり〜、金賞おめでとう!応援ば行けんでごめんねぇ」
「ありがとう、気にしないで、私も手伝えなくてごめん、今日はちょっと疲れちゃってこのままお風呂入って寝たいんだけど、大丈夫?」
飛行機や新幹線、電車等で少しは寝たけど、正直くたくたで、皆には悪いけど今すぐ寝てしまいたい程だった。
「よかよか〜、そがんなこと気にせんで、ゆっくり休まんね」
ありがたいなぁー、それじゃあさっさとお風呂入って寝よう。そう思ったらミナコ先生が残念そうに私にへばりつく。
「ええー、祝杯上げましょうよ〜」
「ごめんなさいミナコ先生、私の分もいっぱい飲んで下さい」
断腸の思いで…とまではいかないけど、そこそこ申し訳ない気持ちで先生の申し出を断り、家風呂に入ったあと、私はそのままご飯も食べずに眠ってしまった。