【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第9章 きっかけは、何でも(月島蛍/繋がる縁の円)
月島くんの指先が、肌の上を這っている。
ただ、その触れ方は愛撫というより、擽られているようで。
笑ったりしたら、中断された上に嫌味でも言われそうだから、唇を噛んで耐えるしか無かった。
「…んっ…は、ぁっ!」
それでも、耐えきれてはいなくて、声の混ざった吐息が漏れていく。
「これ、気持ちいいの?くすぐったくない?」
楽しげな声が聞こえて、横腹に指先が立てられた。
「ひゃっ、あっ!」
反射で跳ねてしまう身体。
唇を噛む事も出来なくなって悲鳴を上げた。
擽ったさを耐え過ぎた所為で涙が浮かんだ目を向ける。
滲んだ視界の中で笑ったのが分かった。
「こういうのが好きなんだ?なら、もっとしてあげるよ。」
「やっ!ちょっ!もう…む、りっ!ギブだって!くすぐったいの!」
勘違いした言葉を落としてくるのは、絶対にわざとだ。
今度は完全に擽られて、逃げるように身体を捩り、口からは本音が零れる。
「じゃあ、どんな風に触って欲しいの?言わなきゃ分からないデショ。」
あっさりと身体から離れた手が顎に掛けられる。
親指が唇をなぞって、言葉を待つように私を眺める視線。
この男の質の悪さを知っていた筈なのに、なんでアンタ流で抱いてくれ、とか言ってしまったのか。
こんな後悔が頭を過った瞬間だった。