【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第9章 きっかけは、何でも(月島蛍/繋がる縁の円)
再び隠す事が出来ないように、両手が布団に押し付けられている。
視線は胸に向いていた。
恥ずかしくて、せめて顔を逸らす。
「ウブなフリ?男が喜ぶ仕草だよね。誰に教えて貰ったの?黒尾さん?
そんな演技して貰うより、りんさんが触られたいトコ、教えてくれた方が良いんだけど?」
意地の悪い言い方に腹が立って睨んでやりたかったけど、顔を見るなんて今の状態では無理で。
「何で、そうやって過去の事ばっか聞くのよ?」
悔し紛れに質問を返した。
月島くんの動きが止まる。
「どうせなら、気持ちいい方が良くない?だけど、僕、りんさんの事、そこまで知らないから、教えて貰おうとしてるんだけど?」
何かを誤魔化そうとしたような、上辺を取り繕ったような言葉が聞こえた。
多分、なんだけど。
月島くんって、鉄朗に対抗意識みたいなのを持ってる。
私の元カレだからって事以外でも、根深い何かが、ある。
何となく、勝てない人認識してるような、そんな感じだ。
だから、私に対して何かをする自信がない。
それで、鉄朗の真似事とかをしようとして、昔の事を知りたがる。
合っているかは分からない。
でも、こんな気持ちを隠しているのなら、可愛く思えて。
「月島くんが触ってくれるなら、どこでも気持ちいいよ。だから、前の男のやり方とか気にしないで、アンタ流のエッチして?」
酒の勢いでも、挑発されたからでも、何でもいいから、この男に抱かれたいと思った。