【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第9章 きっかけは、何でも(月島蛍/繋がる縁の円)
言わないと、このまま止められてしまう。
でも、恥ずかしさの方が上回って言葉は出てこない。
声が出ない唇を何とか動かしても音にはならず、上手くいかない事に苛々してきて。
「…私の事、ソノ気にさせるんじゃなかったの?教えてやらなきゃならないなんて、そんなに経験値低いんだ?」
やっと出た声は、逆ギレからの挑発だった。
月島くんの眉間に皺が作られる。
それは、すぐに緩んで。
「はい、そうデス。経験値低いから、教えて下さいって頼んでるんでしょ?」
わざとらしい笑顔を作り、私の言葉を逆手に取ってきた。
もう完敗だ。
最後まで事を運びたいなら、言われた通りにするしかない。
顎を捉えていた手を取り、胸元へと運ぶ。
口で説明出来ないから、行動で表したつもりだった。
それなのに、底意地が悪すぎる月島くんは、意味が分からない風を装って触れて来ない。
ただ、さっきと変わらない笑顔で胸を眺めているだけ。
「…胸、触って欲しいの。」
「触れば良いだけ?撫でればいいの?」
望まれてるだろう言葉を吐き出したのに、まだ触れてくれない。
「…う、あの…月島くんの、この、おっきい手で揉んで…出来れば、先っぽとか…弄って欲しい。」
ここまできたら、なるようになってしまえ。
思い切って言葉にすると、羞恥の所為なのか、身体中に熱が巡った。