第6章 食うか、食われるか(木葉秋紀/sharing.)

その厭らしい音が、色んな男に慣らされてきた証拠のようで、更に自分が汚く思える。
気持ちが行動に出て、首を振って拒否を示した。
スカートの中から足がすぐに抜かれて、ソファーから下りた木葉さんが目の前に座る。

「シたくないなら、別に最後までシないでいいぞ。ホント、悪かったな。お前の口だけ使って。」

抱き締めてくれる腕が暖かくて、どうしようもなく、この人が欲しいと思った。

ここで、止められないのは私の方。

抱き締め返すように背中に回した手を、シャツの中に入れて肌に直接触れる。

「…ちょっ！おまっ！」

くすぐったそうに背中を反らした木葉さんの腕が私から離れた。
好都合な状態になったから、そのままシャツを脱がせる。

「え、いや、ん？マジで、どういう状況、コレ？」

慌てているその姿が、可愛らしくも見えて、私の興奮が収まる事はなく。
腰に引っ掛かったままになっていたジーンズも下着ごと脱がせた。

「…なんか、俺が犯される感じになってね？流石に違うよ、な？」
「駄目ですか。」
「ダメって訳じゃ…。」

自分だけ全裸であるのが恥ずかしいのか、挙動不審になっているけど、そんな行動すら私を煽るだけだ。

「私、木葉さんが欲しいです。」

素直に口から、思ったままの言葉が出て。

「…分かったよ。どーぞ、召し上がれ。」

溜め息混じりの返答は、何よりも嬉しいものだった。