第5章 私の彼は意地が悪い(月島蛍/sharing.)

頭の中に、粘着質な水の音が響いている。
口腔内に差し入れられた月島くんの舌が、私のそれを絡めとって立てる音が淫靡で、あっという間に身体が熱を持ち始めた。

「…月島く、ん。触っ…て。」

唇が離れたちょっとの隙、乱れた呼吸の中で彼を求める。
それに応えるようにバスローブの中に入ってきた手が腰を撫でた。

興奮している身体は、そのくすぐったいような感触にすら反応して背中を反らす。

「…へぇ。りらは胸より、こっちが感じるんだ？」
「ちがっ…ぁっ！」

横腹から腰を往復していた手が、肌を伝って胸元に上がってきた。

「何が違うの？さっき、感じてなかったデショ。」
「それは…っ！」

膨らみを指先が通り過ぎて、頂の突起に触れる。
そこを軽く弾かれると、肩が跳ねて言い訳しようとした言葉が止まった。

「さっきと、随分反応が違うね。演技でもしてるの？」

まるで、私の反応を楽しむようにクスクス笑っている。
否定をしようにも、胸の突起を指先で弄ばれ続け、身体に広がる熱い感覚の所為で息が乱れて声が出なかった。

何とか出来たのは首を振る事だけ。

「嫌なの？口で言ってくれないと、分からないよ。」

胸から手が離れていく。
わざと逆の意味に取っているのが、相変わらずの意地の悪い笑顔で読み取れた。