【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第5章 私の彼は意地が悪い(月島蛍/sharing.)
それが、月島くんを怒らせたようで、眉を寄せている。
やり過ぎた。
わざとじゃないにせよ、この人を怒らせた私が悪い。
すぐに謝ろうと思っても、謝罪の言葉が出てこない。
その代わり、また涙が溢れた。
「りらってさ、ズルいよね。泣いたら許されると思ってる?」
「…思って、ない。勝手に、涙、出るんだから…仕方ない。」
すぐにでも涙を止めようと、目を擦っていると聞こえた溜め息。
「そんなに擦ったら、腫れるから止めてくれない?寝起きにブサイクな顔見たくないから。…それに。」
止めるように手を掴まれて、唇を重ねられた。
今回は触れるだけでは済まされず、唇の隙間から舌が口の中に押し込まれる。
舌の表面をなぞるように一舐めして、離れた。
「しょっぱいキス、趣味じゃないから。」
舌を見せ付けるように薄く開かれた唇は、笑むように口角が上がっている。
その底意地の悪さに、それならキスするな、とでも言い返そうと思ったけど。
そんな事をしたら、本当に取り返しが付かなくなりそうだ。
何もやり返せない悔しさから、視線を逸らす。
「…りら。」
声は聞こえたけど、目は向けない。
私にも、意地はある。
「僕の事、見てくれたら、最後までしてあげてもいいんだけど?」
この程度の言葉で、あっさり視線を向けてしまうくらいの意地だったけど。
月島くんが嬉しそうだから良い事にして、早く先を欲しがるように自分から唇を重ねた。