【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第4章 lostvirgin(黒尾鉄朗/episode0)
クロは、すぐに抱き締め返してくれて。
今度は、耳の縁に唇を当ててきた。
「…だからっ、普通じゃない事はしないでって。」
くすぐったくて思わず首を竦めたけど、クロの方は意味が分からないような顔をしている。
「や、こんくらい普通だろ?首も、耳も、感じるヤツは感じるんだから。」
「…クロみたいに手慣れた男の普通と、初めての私の普通を一緒にするな。」
耳に残っている感触を消すように擦っていた手を止められた。
「じゃ、きとりさんの普通、教えろよ?シて欲しい事だけ、シてやるから。」
顔は、至極いやらしく笑っている。
こういうの、何だっけ。
羞恥プレイって言うんだっけ。
それだって、普通じゃないじゃないか。
考えただけで、顔に血が集まるのが分かる。
「…きとりサン、顔真っ赤。」
「クロが変なコト言うから…。」
「変な事、言ってるつもりねぇよ。」
「だって、私が恥ずかしがるの分かってて、さっきの言ったでしょ?」
ちょっとした言い合いをして、最後に指摘してやった。
「気付いてた?」
悪びれるでもなく、唇の端がニィっと笑うように上がっていく。
「これから、全部見せ合う関係になんのに、一々恥ずかしがってる方が普通じゃねぇよ。」
言葉の終わりに肩を押されて。
再び、布団に沈んだ。