第3章 果てない執着(赤葦京治/sharing.)

さっきとは違い、強くもなく、擽ったい程に弱くもない力で摘まれて。

「…ふっ、ん…。」

待ち望んだ刺激に、声を漏らすけど、口の中に詰められたシャツが邪魔して籠った音しか出ない。
声が出せない分、身体が反応を示して背中が反る。

触られているのは胸なのに、お腹の奥が熱くなった。

くすぐったいの先にある快楽、ってこれだろう。

気付いてしまうと、身体が更なる刺激を求めて自然と腰が揺れる。
触られてすらいない秘部から、お尻の方まで蜜が伝う感触がした。

早く脱がないと、借りているジャージを汚してしまう。

でも、手は動かせなくて自分では脱げないし。
脱がせて欲しいと、お願いする為に喋る事も出来ない状態だ。

気付いて貰えるように、ただ赤葦さんを眺めていた。

「…りら、俺が何を望んでるか、分かる？」

この質問の答えは、きっと身体の自由を奪われている理由に繋がっている。
だけど、未だに分かっていないから首を振った。

「…そう。じゃあ、このままで。」

私を見下ろしている目が、とても暗く見える。
狂ってしまう程、私からの何かを望んでいるのが分かる。

それが、もっと欲しい。

この人の、歪みきった愛情の全てが欲しい。

望みを叶えたら、それが無くなってしまう。
私には甘い人だから、優しくなってしまう。
そんな、普通の愛情じゃ満足出来ないから。

何を望んでいるか、なんて。
考える事を完全に放棄した。