【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第3章 果てない執着(赤葦京治/sharing.)
何に怒っているか分からないから。
謝る理由も思い浮かばない。
痛みに耐える為に歯を食い縛っていると、ようやく指が緩んだ。
それで安心する間も無く、捲り上げられたシャツ。
その裾を口の中に押し込まれる。
「言う事を聞いてくれない口は塞ごうか。これ以上、苛々したらりらを傷付けそうだから。」
「…言う事、聞いてます。嘘は吐いてな…んっ。」
言い訳しようと、口の中のシャツを取り除いたけど、すぐに詰め直された。
「手も、邪魔だね。」
私の上で妖しく笑った赤葦さんは、タオルを私の両手首に巻き付ける。
縛られて、頭の上で固定された手は使えなくなって。
口の中のシャツを除く事も出来ないから、もう言い訳すらさせて貰えない。
「ごめんね。…でも、りらが悪いんだよ。」
謝っている割に、すまなさそうな感じは微塵もしない顔で、私を見下ろしていた。
身体の側面を滑るように撫でる手が、くすぐったくて背中が浮く。
それに気を取られて、何が悪かったのかを考える力は無くなっていった。