第7章 告白大作戦!
目立ちたがりの木兎さんの事だから、こんなチャンス逃す訳がないと思ったけど。
まさか、プロポーズするとは流石に想像出来なかった。
野次馬根性丸出しの、周りの方々がかおるさんの答えを急かすようにこちらに注目している。
私の胸元に隠すように顔を埋めているかおるさんは真っ赤で。
羞恥心からなのか、うっすらと涙まで浮かべて小さく震えていた。
まるで、小動物だ。
小さくて、可愛らしい行動が似合うのは羨ましい。
言葉で周囲を制す自信はないから、せめて隠すようにかおるさんを抱き締めた。
『…あ、えっとー。情熱的な告白有難う御座いました!こちらのチームの方も、何か一言!』
その状況を収めたのは、主催者の方の声。
木葉さん達にコメントを求めるようにスピーカーを差し出している。
それを、手に取ったのは赤葦さんの方で。
『りら、俺達が勝ったら木葉さんと仲直りしてあげて。今の状態、木兎さんより面倒だから。』
私まで注目される事態を作り出した。
私にとって、面倒なのは今の状況である。
『ハズい事言うな!しかも、面倒ってなんだよ、面倒って!』
『そのままの意味です。』
『おまっ!先輩に少しは敬意を持て。』
『ある意味で、尊敬はしてます。』
スピーカーがオンになったまま、会話を始めたのか言葉は全部こちらに筒抜けだ。
その会話を、ずっと垂れ流しにする訳にはいかない主催者の方がスピーカーを取り、2組のチームをコートの方に促していた。