第7章 告白大作戦!
周囲の方々の、いらない気遣いがあって最前列で試合を観戦。
たまに、掛け声以外の言葉が聞こえてくる。
内容は…。
「俺の結婚かかってるからな!負けらんねーよっ!」
「こっちだって、仲直り賭けてんだぞ!テメーの所為で、こんな事になってんだかんな!」
こういう、恥ずかしいやり取りで。
よくもまぁ、試合中に敵コートの相手と会話出来るものだ。
そういった声が聞こえる度に、周囲からは私達に視線が向く。
もう、どちらが勝ってもこの後も目立つ事が確定して、逃げ出したい気分だった。
早く終われと、願いながら迎えたマッチポイント。
木兎さん側が次に点を取ったら、勝利の状態。
木葉さん達が負けたからって、仲直りしたくない訳じゃないから、どちらが勝者でも構わない。
声に出す事はしないけど、密かに木兎さんを応援していた。
そして、あっさりと木兎さんが決めて試合は終了となる。
「かおるちゃんっ!勝ったぜー!」
合図の笛が鳴り響く中、こちらに駆け寄って来る木兎さん。
巻き添えを喰らわないように、少しだけ避けておいた。
「…ちょっ!木兎っ!恥ずかしい、ってば!」
真横で木兎さんがかおるさんを抱き締めていて。
恥ずかしがりながらも、背中に腕を回しているかおるさん。
これで、やっと2人の気持ちが繋がるのだと確信した。