第7章 告白大作戦!
浜に降りて、4人で歩く。
少し進んだところで、夕方を過ぎて、暗くなり始めた割に騒がしい一角に気付いた。
煌々とライトで照らされている大きな幕がある。
何か、イベントでもあるんだろうか。
気になって、その幕に書かれた文字を眺めた。
【ナイトビーチバレー大会!】
「気付いたか?」
ニヤりとした、企み笑顔の黒尾さんが横目で見ているのは木兎さんだ。
目立つのが大好きで、人にちやほやされたがりの木兎さんなら、ノってくる。
しかも、木兎さんはスポーツに関していえば天才の部類だろう。
これで、しょぼくれモードの解除をするつもりか。
「飛び入り歓迎らしいからな。じゃ、行ってくるわ。」
木兎さんを連れて、受付の方に黒尾さんが去っていった。
気まずい状態の、木葉さんと2人で取り残されて、顔を伺うように覗く。
一瞬だけ、目が合ったけどすぐに外されて。
更に、私との会話を拒否するかのように、どこかに電話をしていた。
「…あ、赤葦?お前、今ドコよ?え。マジか。俺等も近く居てさ。」
相手は赤葦さんのようだ。
わざとらしい小芝居をしている。
「…でさ、ナイトビーチバレーとか面白い大会やってんだよ。お前、一緒に出てくんね?」
会話の内容からすると、理由を付けて2人をこの場に呼びたいようだ。
本当に大会に出たい訳じゃなく、かおるさんに木兎さんの勇姿を見せるのが目的だろうな。
「おぅ。じゃあ、受付しちまっていいな?…じゃ、また後で。」
しっかりと約束を取り付けられたようで、電話を切っている。
「熊野、赤葦達が来るから、ココで待っとけ。」
そして、一声だけ残して行ってしまった。