第7章 告白大作戦!
「何?結局、お前って奴は誰でもイイ訳?」
「んなワケねーだろ!かおるちゃんがイイに決まってる!」
「じゃ、何でりらに手ェ出そうとしたんだよ?」
目の前で、木兎さんの襟首を掴んだまま、黒尾さんの説教が始まる。
自分の所為だから、と受け入れようとしてしまった私にも非があるから、止めようとしたけど。
それも、出来なかった。
「熊野、もし俺等が来なかったら、木兎と何してた?」
「…木兎さん次第です。」
「へぇ?じゃあ、ヤりたいって言われたらヤらせたワケ?」
こっちはこっちで、説教が始まったから。
完全に否定するのは、嘘になってしまうから出来なくて。
「俺さ、お前等の関係は否定したくねぇよ?だがな、男女の関係になんなら、話は別だ。」
ただ、黙り込んで話を聞いていた。
何も言わない私に言い続けても無意味と悟ったのか、木葉さんは舌打ちをして顔を逸らす。
丁度その頃、黒尾さんの説教は終わったようだ。
「お前等の夫婦喧嘩は後にしてくんね?時間、ギリだわ。」
「…おぅ。熊野、行くぞ。」
しょぼくれた木兎さんを、引き摺るようにして連れていく黒尾さんと、声は掛けてくれたけどこちらを向いてすらくれなくなった木葉さん。
夫婦じゃない、とか。
一応スポーツ選手の木兎さんは丁寧に扱え、とか。
突っ込める空気じゃなくて、溜め息を吐いてから後を追った。