第7章 告白大作戦!
木葉さんが酷すぎる。
木兎さんと旅行を許可したばかりか、どうせ行くならって、わざわざ調べたらしいデートスポットを私達に回らせたのだ。
しかも、行く先々で赤葦さん達を見掛ける面倒事が付属している。
その度に、走り出しそうな木兎さんを止める為に手を繋いでいたけど、毎回かなりの力で引っ張られるから腕が痛い。
大体、木兎さんも私も、平均以上の大きさで。
2人で歩くだけでも目立つのに。
いきなり走る、止めて説教、なんて悪目立ちを繰り返していたら赤葦さん達に見付かる。
観光地である事が幸いして、外国人観光客なんかに紛れたのか、ここまでは気付かれていなかったけど。
最後に行けと指示されていたのは海辺。
もう、夕方になっていて海水浴の人達も疎らで。
やっぱり、そこには赤葦さん達がいて。
なんとなく、良い雰囲気に見えた。
最近、悩んでばかりだったかおるさんが、すっきりした顔をしている。
こんなのを見たら、木兎さんが大声でも出してしまいそうだと思ったけど、それは無く。
逆に心配になって顔を見た。
「…なぁ、りらちゃん。俺、待ったよな?なんで、赤葦とイイカンジになってんだよ。」
木兎さんは、悔しそうな顔で。
待たせた責任が、重くのし掛かってきた。
「ごめん、なさい…。」
謝る事しか思い浮かばない。
私が、完全に悪い。
顔を見てられなくて、下を向いた。