第7章 告白大作戦!
‐かおるside‐
何言ってんの、赤葦。
だって、赤葦はりらちゃんが好きで。
それは、さっきも自分で言っていて。
その上、私は木兎が好きだと多分気付いている筈なのに。
「結婚は、2番目に好きな人とするのが良い、って聞いた事、ありませんか?」
私の疑問を解決するように、赤葦が喋っている。
「いや、それは結婚の話でしょ?」
「この年齢で、恋愛するのに結婚を考えない程、無責任に見えますか?」
「そうは、見えないけど…。」
「だったら、俺との事、考えて貰えます?」
「…か、考えるだけなら。」
淡々とした赤葦に対して、私はそれを返すだけで精一杯。
「…良かった。じゃあ、また。今度は1人でお店に来させて下さいね。」
口元だけで笑って、赤葦が出ていった。
閉まった扉を眺めながら、力が抜けてその場に座り込む。
何で、すぐにイエスもノーも言えなかったんだろう。
赤葦は、背も高いし、顔は整っている。
オマケに頭も良くて、気遣い上手で。
悪い所なんて1つも無い。
お互いに、本命が別にいると分かった上で付き合うなら嫉妬も無く、上手く付き合えるかもしれない。
でも、それは木兎に対する裏切り行為だ。
告白しておいて、返事も聞かず。
その後輩と付き合うとか有り得ない。
だからって、叶わない恋を引き摺って一生独り身も嫌だ。
考える事がありすぎて、その日はよく眠れなかった。