第7章 告白大作戦!
‐赤葦side‐
木兎さんに、押して駄目なら引いてみろ、をやらせたい。
その、りらの希望は叶えてあげる。
でも、りらは、甘いよ。
かおるさんが、木兎さんと2人で話をする気になるまで待て、なんて。
何年掛かるか、分からない。
そんな、長い時間待たせたら、木兎さんが心変わりする可能性はあるし。
それでかおるさんが傷付けば、原因は自分だとりらも傷付く。
そんな事は、させない。
俺が何とかしてあげる。
「かおるさん。帰りましょう。」
去っていく木兎さん達を見送り、自分達も歩き始めた。
さして、遠くない彼女の店兼自宅まで会話もなく辿り着く。
「赤葦、有難う。」
「いえ、かおるさんとお話したい事がありましたので。」
「…私に?」
外では何だから、と店の中へ促された。
暗い、店内は都合がいい。
無表情で、こんな事を言っても信じて貰えないだろうから。
「…かおるさん。俺と、付き合って貰えませんか?」
「…は?」
表情なんか見えなくても、信じて貰えなかったらしい。
疑問を表した1つの音が店内に響いた。