第7章 告白大作戦!
待て、と私は言った筈だ。
だけど、木兎さんは待つって言葉の意味を知らないようで。
翌日からも、普通にお店に来てはかおるさんを飲みに誘っていた。
かおるさんは、何事も無かったような対応に逆に安心したようだけど、このままじゃ平行線である。
あの人にとって心地好い、オトモダチごっこを続けてしまいそうな気しかしない。
木葉さんに相談してみても。
アイツが待てを素直に聞くなら苦労しねぇよ、なんて言葉だけが返ってきて私1人が気を揉んでいる状態だ。
本日も、本日で、当たり前のように店に顔を出した木兎さんはかおるさんに一生懸命話し掛けている。
「な、かおるちゃん。今日も飲み行こーぜ?」
「いいよ。りらちゃん付きで。」
この会話が日常化している内は、本当に何も変わらない。
押して駄目なら引いてみろ、って言葉を木兎さんに分かるように誰か教えてやってくれないか。
「じゃ、今日は赤葦呼んでいーか?たまには4人もいーだろ?」
それ、一番駄目なやつ。
押して駄目なら更に押す主義の木兎さんは、しびれを切らしていたようだ。
多分、今日は赤葦さんに私を送らせてかおるさんと2人きりになろうとしている。
会話を聞きながら、どうやって止めようかを考えていた。