第7章 告白大作戦!
木兎さんとの通話が終了した頃、木葉さんが風呂から戻ってくる。
「電話終わったか?」
「はい。」
「どのプランになったんだよ?」
「どれにも決めてません。失敗しそうなので。」
「だよな。よくもまぁ、アイツもあんだけ馬鹿げた事ばっか思い付くもんだ。」
「そうですね。」
少し、会話をして私も風呂に入った。
湯船の中で、落ち着いて考えてみても木兎さんの告白プランは無謀なものばかりで。
そんな派手な事をしたら、恥ずかしがって応えてくれない気がする。
派手じゃなくても、抱き締めて、好き、って言葉だけで良いじゃないか。
そこで、自分と木葉さんの事が頭に浮かぶ。
抱き締めて、好きって一言。
それが、一番響いた。
余計なものは、何一つないシンプルな告白だった。
私が、派手さとか、ロマンとか求めないからかも知れないけど。
静かに、心の奥底に言葉だけが落ちてきて。
じわじわ広がって、幸せに満たされた気がした。
サプライズ的な、派手なものだと、驚きが先に出てきて、その幸せを噛み締める瞬間がなさそうだ。
かと言って、あの木兎さんを止める手段は思い浮かばず。
あれこれ考えている内に、完全に湯中りしてしまって。
「…熊野?お前、いつまで入って…って、おい!大丈夫か?」
心配したのか、様子を見に来た木葉さんの声を聞きながら気絶してしまった。