第7章 告白大作戦!
出るかどうか、真剣に迷う。
かおるさんと付き合ったとか、幸せな報告なら良いけど。
付き合い始めたばかりの彼女の目の前で、報告会のような電話をするのは頭がどうかしている。
それくらい、私でも分かる。
木兎さんなら、やりかねないとは思うけど、かおるさんは止めそうな人だ。
「出ていーぞ。」
「…私も、悪い予感しかしないので。」
「そっか。」
2人して無視を決め込むと話して、振動を続けるスマホをしまった。
それでも、交互に何度も掛かってきて。
諦めて、木葉さんが電話に出た。
『木葉っ!俺、どーすりゃいい!?』
私にも、聞こえるようにスピーカー機能を使用してくれていた為、木兎さんの大きな声が部屋の中に響く。
「いきなりか。意味分かんねーよ。」
『かおるちゃんに逃げられた!』
「…は?どうせ、お前がいきなり手ェ出そうとかしたんだろ?俺が知るか。こっちのイチャイチャタイム邪魔すんじゃねぇ。」
木葉さんは不機嫌を声に出して返しているけど、木兎さんにはそんなもの通用していない。
『手ェ出して…いや、出したか?』
「だから、知らねぇって。何やったんだよ?」
『ちょっと、手繋いだだけだ!』
結局、話に付き合ってやろうとする木葉さん。
スピーカーになっているのは知らないだろうし、私がアドバイス出来る事なんかない。
2人の話を黙って聞いている事にした。