第7章 告白大作戦!
2人と別れて、木葉さんの自宅に帰る。
玄関を上がって、部屋の方に行こうとした時に、繋いでいた手が引っ張られた。
力に従って、木葉さんの腕の中に収まる。
「…な、今日は一緒に風呂入らね?熊野と、イチャイチャしたい。」
耳元で囁く声に頷くと、頬に手が添えられて、近付く唇。
本当に後少しで重なるという所で、木葉さんのスマホが音を立てる。
しかも、某サメ映画のテーマである。
この着信音は、木兎さん専用で設定されているものだ。
木葉さん曰く、木兎さんからの電話は‘嫌な予感’しかしないかららしい。
相手が誰かは分かっているから、無視をしてキスを続行しても良かったのだけど。
選曲の所為で、甘い空気は完全に消し飛んでいて、そんな気にならない。
木葉さんの方も同じだったようで、腕が緩んで私を放した。
長い溜め息を吐いてから、鳴り続けているスマホを取り出して眺めている。
「出ないんですか。」
「だって、木兎だぞ。さっきまで一緒に居て、今電話ってのは、悪い予感しかしねぇだろ。」
そんな話をしている内に、やっと音が鳴り止んだ。
それで、諦めたのかと安堵したのも束の間で。
今度は私のスマホが振動を始めた。