第7章 告白大作戦!
‐かおるside‐
送ってくれるのは、素直に嬉しい。
だけど、気まずい。
2人きりで話をしたら、木兎の答えを聞く事になるから。
「…じゃ、熊野。帰ろっか。」
「はい。」
木葉が、自然にりらちゃんの手を握って歩き始める。
引き止める事なんか出来なくて、2人を見送った。
並んで歩く、背の高い2人はお似合いで。
たまに、お互いを見るように顔を向けるタイミングも一緒で。
2人の気持ちが繋がっているのが分かる。
私は、繋がっていないのが分かっているから、木兎の顔すら見れないのに。
2人を羨ましく思っていると、手が暖かいものに包まれた。
視線を向けると大きな手に握られている。
「俺等も帰ろーぜ?」
あのラブラブカップルに触発されただけで、私にこういう事をやるのは酷くないかな。
これから、フるつもりの女に期待なんか持たせないでよ。
腹が立って、手を振り払う。
木兎は、意味が分からないと言いたそうな顔をしていた。
「…あの2人に刺激されたからって、手近な女で済ませようとしないでよ!」
つい、口から出た本音。
完全に怒鳴ってしまった。
「手近な女で済ませよーとか、思ってねーよ!かおるちゃんだから、やってんだよ!」
「…ふざけないで!期待したら、辛いの私じゃんか。…送んなくていい。帰る。」
泣きそうになって、その場にいられなくなって。
木兎に何か言われる前に、逃げるように走って帰った。