第7章 告白大作戦!
そんな状況で始まった飲みは、微妙な雰囲気になるのかと思ったけど。
「かおるちゃん、もっとこっち来いよ。そっち、通路だろ?」
すでに、店で飲んで酔っ払っている木兎さんには通用していなくて。
かおるさんが座る椅子を、力任せに持ち上げて自分に近付けた。
馬鹿力にも程がある。
しかも、寄せたからってかおるさんと会話する訳でもなく、店員さんを呼んで勝手に注文をしているし。
それが届いたら乾杯の声掛けだけして、食べる飲む。
「緊張して、損してる気がするんだけど…。」
「これが、木兎さんですよ。欲求に真っ直ぐなので。今は、目の前の食料に夢中。」
「その、真っ直ぐなトコが良いんだけどね。」
「…はぁ。」
付き合ってはいない人の惚気には、なんと答えたら良いか分からない。
ご馳走さま、は違う気がするから、聞いている事を示すだけにした。
こっちが話していても会話に加わる事はなく、相変わらず食べる事を続けている木兎さん。
かおるさんのお店でも、食べていた筈なのによくそんなに食べれるものだ。
そうこうしている内に1時間程が経過し、木兎さんの食欲が落ち着いてきた頃。
仕事を終えた木葉さんがやって来た。