第6章 ご紹介します
‐木葉side‐
え、何で?
…が、玄関が開いて最初の感想。
たまに、木兎だとかが来てて出迎えられた事はあったが、黒尾が出てくんのは予想外。
向こうも、同じ状況のようで。
俺を見た途端に固まって。
「…お前まで、ストーカーしてんのかよ。りらは不在だ。とっとと帰れ。」
やっと、動いたと思ったら勘違いして扉を閉めようとしやがる。
もしかして、俺が来んの話してねぇとか?
熊野、言葉が足りねぇっつっても限度があんだろ。
閉められる前に、玄関の内側まで入る。
「ザケんな。りらに、やっと彼氏とか出来て、自分で幸せ掴めるチャンスが巡ってきてんだよ。お前だけは、会わせる訳にゃいかねぇな。」
黒尾の勘違いのまま、話が進められていく。
肩を押されて強制的に一歩下がる事になった。
もしかして、じゃねぇな。
絶対、俺が来んの話してねぇ。
それどころか、その彼氏が俺だって言ってねぇ。
「俺が、彼氏だ。熊野と、付き合ってンの、俺だから。」
「んな、妄想話に付き合ってられるか。とにかく帰れ。」
「妄想じゃねぇよ。マジ話だ。」
黒尾も、相当頑固なヤツで、俺が幾ら言っても信じちゃくれず。
押し問答する事、数分。
やっと、熊野がリビングから出て、玄関まで来てくれた。