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【HQ】繋がる縁の円

第22章 2人だけで


‐りんside‐

この感じは、多分私の家に来たいって事なんだろうけど。
今から来たら、ほぼ確定で泊まりになる。

ただでさえ、ご家族に会う前日で緊張して眠れなさそうなのに、他の緊張感まで連れて帰りたくない。

「明日の荷物とかあるだろうし、今日は家に帰らないと駄目でしょ?ほら、新幹線も午前中だし、朝から取りに戻るとかバタバタしちゃって嫌じゃない?
だから、歩きながら話出来ればいいよ。」

なんとか、納得せざるを得ない理由を絞り出してみる。

だけど…。

「実家に帰省するんだから、荷物は先に送ってるよ。僕、重い物あんまり持ち歩きたくないカラ。」
「…蛍くんらしいわ。」
「納得したなら、別に家に帰らなくても良いよね?ほら、寒いから早く帰るよ。」

納得させられたのは、私の方だった。

一回も私の家で話すなんて言っていないのに、流れでそうなってしまっている。

「帰るって、まだ蛍くんの家じゃないんだけど。」

こんな時に、悔し紛れに可愛いげのない事を漏らすのが私の口。

「まだ、って何?僕は、あの家に住みたいとか思ってないよ。」

返ってきた言葉は、私に大きなダメージを与えてくれて。
帰路を歩く中では、一言も喋る事が出来なかった。
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