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【HQ】繋がる縁の円

第6章 ご紹介します


あの、水族館に行ったデート以来、外で会う事は殆どなく。
相変わらず、ほぼ毎日どちらかの家で一緒に過ごしていた、ある日。

木葉さんは夕方上がりの日で、来る時間に合わせてご飯を作っていると、玄関が開く音がする。
鍵は閉めてる筈で、一応は人の家だから家主の許可なく木葉さんには合鍵を渡してはいない。

合鍵を持つ、元同居人の誰かである事は確かだ。

警戒せず、どうせリビングに来るだろうと扉を眺めていた。

そして、開いた扉から現れた人は…。

「黒尾さん…。」

しかも、何故か怒っているような、顔は笑っているけど目が笑っていない表情で。

「りら、お前、最近この家にあんまり居ねぇだろ?
木兎の知り合いンとこ、手伝ってるのは聞いてたが…。流石に帰って来れない時間まではナシだ。」

私に近付くなり、説教を始めた。

そういえば、黒尾さんがご飯を食べに来たいって連絡をくれても、木葉さんと2人きりを優先していたから断り続けていて。
1ヶ月以上、連絡すらあまりしていなかった。

多分、心配して、何回か家の様子を見に来ていたんだ。
たまに、テーブル脇の椅子が少し移動していたり、テレビのリモコンがソファーに置きっぱなしにされていた事があったから、間違いない。

わざとらしく家に来た形跡を残されていても、何の反応もしていなかったから、怒っているんだ。

心配しているからこその怒りと分かっているから、不愉快な感じはせず、黙って説教されていた。
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