第21章 企み秘めたる結婚式
‐みつside‐
電話をしながら、きとりちゃんがニヤついて、私に向けて親指を立てている。
それで、相手が誰かは分かった。
計画の内の1つが、殆ど完了した事を意味している。
姉ちゃんへの計画は、私達だけが動いても出来るもんじゃなくて。
色々な人に協力をお願いしていた。
まず、姉ちゃんだけ別室にする事。
家族と同じ部屋じゃ、ドレスの確認なんかしないだろうし。
下手したら、壊れているのに気付いても、家族には相談しないで、1人でなんとかしようとするから。
変だと思わせない為には、お父さんから何か言って貰うのが一番だった。
次に、ドレスを壊すのは今日にする事。
東京に居る内だったら、新しいのを用意するなりして、なんとかしてしまうから。
ここは、同室のアキノリくんにやって貰うしかない。
最後に、姉ちゃんに渡したいものを、ドレス関連ならば相談されやすい立ち位置の人に託す事。
これはもう、最初からきとりちゃんしか居なかった。
この人なら、最終的に姉ちゃんを丸め込んでくれるしね。
適材適所ってやつで、全ての事が上手く運んでいる。
挙式が楽しみで仕方がなくて、明日も早いのにすぐには寝付けなかった。