第21章 企み秘めたる結婚式
‐木葉side‐
用意されていた部屋に戻ると、すぐにりらを風呂に行かせた。
赤葦とみつに頼まれてる事があるからだ。
俺は、アイツ等が準備したサプライズに加担する。
りらが、そういうの嫌いだと知ってるが、これはやらなきゃ駄目だと思った。
なんたって、りらの両親も一枚噛んでるからな。
俺が非協力的な真似出来るかよ。
りらの荷物を開いて、中からドレスを取り出す。
明日、着る予定のものだ。
それのファスナーを閉めて、左右に引っ張る。
無理矢理開く行為をされたファスナーは、あっさりと壊れた。
りらが戻る前に荷物の中にドレスをしまって、今度は自分の荷物からスーツを出して着替える。
そこで、タイミングよくりらが風呂から出てきた。
「なんでスーツ着てるの。」
「最終確認って大事だろ?りらも、一回ドレス着といたらどうだ?」
当たり前の事を聞いてくるりらに、用意していた台詞を送る。
ドレスが壊れている事を、今確認させたい。
じゃなきゃ、タイムスケジュール的にキツいんだよ。
頼むから、了解してくれ。
俺の願いが通じたのか、りらは荷物からドレスを出す。
畳み方に違和感でもあったのか、首を傾げてたが。
俺が何かしたとは思わなかったようで、着替えてくれた。