第21章 企み秘めたる結婚式
赤葦さんとみつが、色々と動いている事になんか気付かず、時が進み。
11月中旬。
私達は、国内のとある島に降り立った。
挙式は明日の午前中だから、1日早く来て前泊するのは分かる。
だけど、当日泊の分も負担するからって、皆を引き止めようとする意味は、この時はまだ分からなかった。
「よっし!ホテルに荷物置いたら、前夜祭だ!」
人が考え込んでいる事なんか、全く気にしていない木兎さんの呑気な発言。
今回ばかりは、私の家族が同伴しているから乗れないと思ったのだけど。
「りら、行ってきなさい。お前は別に部屋を取って貰っているだろう?こちらの事は気にしないでいい。」
父からのお許しが、あっさりと出た。
どうやら、私は家族から切り離して考えられているようだ。
ホテルの部屋割りも、家族は揃って1部屋だったのに、私だけは別室。
招待客と同じ扱いで、カップル毎に分けられた部屋。
つまり、秋紀と同室になっている。
それに納得した時から、変だとは思っていたけど、私は家族と思われていない証だったのか。
都合の良い時だけ、娘扱いになる訳だ。
今更、血の繋がった家族に拘ろうとは思っていない。
文句を言われないのなら、家族とは別行動をすると決めた。