第21章 企み秘めたる結婚式
祝い事だからって、なんでも許される訳ではない。
断ろうとしたけど、赤葦さんにまで頼まれてしまったから、それも出来なくなり。
やると決めたら完璧にやる主義の私は、しっかりと宅飲みの準備をした。
最近はよく使用される私の住む家で、皆が集まり。
その中で始まった話は、打診というより、最初から来るものだと決め付けた感じで。
招待状も、この場で手渡しして出席に丸を付けさせて回収。
かなりの暴挙である。
それでも、誰も突っ込まないし、赤葦さんも止めはしない。
多少の事ならば、お祝いにケチを付けないのが、大人のルールってやつらしい。
それなら、私も黙っておくべきだと考えていたけど。
「りらは突っ込んで良いんだぞ。こういうの、周りは言いづらいから、親兄弟が気付いて注意すんのが役目だろ。
来てくれて当たり前ってのは、普通は通用しねぇもんなんだからな。」
秋紀が常識らしき事を教えてはくれた。
強引だし、暴君的なやり方だと思えど、結婚した事がない私にとって普通が分からず。
多少なら許容範囲なのだと思っていたから、突っ込み所を逃しきっていて。
気付いた時には2人の式関連の話は終わり、普通の飲み会になってしまっていた。