第20章 やっぱり派手なのがお好き
秋紀が泣いてグズグズになっている間に、他の皆は室内に入っていて。
私達が戻る頃には、いい感じに酔っ払っている。
絡まれるのが嫌で混ざらずに寝る事も考えたけど、木兎さんのお祝いを兼ねた飲み直ししてるなんて言われたら断れず、その輪の中に入った。
会話は木兎さん中心で進んでて、結婚式も盛大にとか、聞いただけで疲れる話を披露している。
しかも、順番でも競争でもない事なのに、式は自分が一番とか競い始めた。
「木兎さん、申し訳ないんですが、式も俺達が先です。」
「え?知らねーぞ!」
「でしょうね。言ってませんし。」
そんな中で突っ込みを入れたのは赤葦さんだ。
「りら、知ってたか?」
「初耳。」
コソッと秋紀から聞かれたけど、本当に知らなかったから驚いている。
姉って立場の私がこうなのだ。
他の誰も知っていた筈がない。
木兎さん達のお祝いムードは一転、赤葦さんとみつへの質問攻めに変わり。
どこでやるのか。
日取りはいつなのか。
私は確実だけど、他の皆も招待するのか。
本来ならば先に知っておくべき情報を、何故か周りの会話で知る事となる。
こうして、あれだけ派手な事をやったのに、会話の中心は2人になり。
木兎さんがしょぼくれ…いや、拗ねて。
この日はお開きになった。