第20章 やっぱり派手なのがお好き
‐木兎side‐
まぁ、最強な俺様に勝てるチームなんか、ここには無かったワケだ。
最後まで圧勝で、優勝出来たから、前と同じようにかおるちゃんに一言言ってやろうと観客の中を見渡す。
あれ?なんでいねーんだ?
しかも、りらちゃんは観客の中にいるぞ。
なんでだ?
頭ん中がハテナだらけになってる内に、スピーカーは主催者の手に戻って。
『今回連覇を成し遂げたチームの、こちらの木兎選手!昨年の大会で、熱い告白を披露して下さいました!今年も、その彼女さんといらしたようです!
そこで!木兎選手にサプラーイズ!本来、ミスコン優勝者からお渡しする予定だった賞品を、彼女さんから渡して頂きましょう!』
俺はマジで何にも聞いてねぇ、って事を喋りだした。
かおるちゃん、目立つのは恥ずかしいから嫌っつってた。
だから、派手でも目立たねーの考えてたのに、勝手な事してんじゃねーよ!
イライラがマックスになってて。
「光太郎、おめでとう。賞品は…私です。貰ってくれますか?」
「いらねーよ!」
かおるちゃんが何を言ったかも聞き取れなくて、反射的に言葉を返す。
俺が機嫌悪くて何かしても、かおるちゃんは許してくれっから大丈夫だ。
周りがメチャクチャざわざわしてっけど、そんなん気にするか!
目立つの嫌なかおるちゃんを助けてやるつもりで、手を掴んで舞台から降りた。