第20章 やっぱり派手なのがお好き
‐かおるside‐
木葉・赤葦チームという最大のライバルが落ちても、気にする事無く快勝を続ける光太郎達。
決勝戦も終盤に差し掛かり、もうほぼ決まりという段階まできてから、入れ替わりの準備を進める為に、舞台へと近付く。
先に話をしていた主催者側の方々が気付いてくれて、然り気無くりらちゃんと準ミスのコを舞台裏に呼んでくれた。
そこで、表彰式の流れを説明される。
渡す賞品は、近くの海の家で使えるチケット程度のものなんだけど、光太郎が優勝したら、これは副賞。
メインの賞品はワタシ、というベタな事をやるのだ。
自分で計画した事なのに恥ずかしくなってきた。
その上、準ミスのコには凄く不愉快そうな顔をされている。
やっぱりりらちゃんにやって貰おうか迷っても、言い出せないまま、最後の得点が決まったのか表側から歓声が聞こえてきた。
「頑張って下さい。」
りらちゃんも、この言葉を置いて去っていき、もう引き下がれない。
表彰式が始まった事を音だけで悟り、緊張で呼吸が止まってしまいそうだったけど、出番は段々と近付いて。
主催者の、優勝チームにサプライズという言葉が聞こえた時、覚悟を決めて前に進んだ。