第5章 初デートは甘くない
‐木葉side‐
遊園地は、乗り物に興味無さそう。
美術館とか、植物園もつまらないだろう。
物を欲しがる質じゃないから、ショッピングもナシ。
コイツが興味ある事ってなんだ?って。
デートに誘った後に考えた。
…で、頼ったのはネット。
水族館は、薄暗くて手を繋ぎやすい。
その一文を読んだ時、手ぇ繋いで外歩きたいって思った。
熊野は、魚になら興味あるんじゃねぇかって、ちゃんと理由もつけられるから、ここにした。
…が、熊野の魚に対する興味は、純粋に見て楽しむもんじゃ無かった誤算。
いつもより、喋ってくれんのは嬉しいが、色気はゼロどころか…。
まさかの、食い気1択。
今も、じっと泳ぎ続けるマグロを眺めてるが、頭ん中は解体ショーに違いない。
これなら、市場に連れてってやった方が良かったんじゃね?
「今度は、朝一で市場行こうな。競りとか、解体ショー見れるぞ。」
それが、一番喜ぶと思ったんだ。
だが、声に反応してこっちを見た熊野は眉を寄せていて、何言ってんだ、みてぇな顔してた。