第20章 やっぱり派手なのがお好き
‐かおるside‐
計画の通り、上手く乗せられたりらちゃんは、あっさりとミスに輝き…。
喜びと、お祝いを体で表現して抱き付いた光太郎が木葉に怒られてしょぼくれ…。
そんな状態のまま、ナイトビーチバレー大会が開始時間が迫ってくる。
この調子で、光太郎と黒尾が優勝してくれるか不安がある。
それを誰かと分かち合おうにも…。
「秋紀を応援してるので。木兎さんの調子が悪いのは、寧ろ有難いです。」
「私も京治が優勝した方が良いからなー。」
一応は敵チームになる2人の彼女はこうだし…。
「私、先にコテージ行ってるわ。晩御飯の用意とかしておいた方が良いでしょ?
蛍くん、車出して貰える?買い物するから。」
「りんさん、運転出来るでしょ。なんで僕が…。」
「あら。そんなにりらと同じ時間を過ごしたいの?」
「そんな訳ないデショ。」
不参加だから、敵味方関係無く知り合い枠で応援してくれると思ってた2人は、さっさと輪から外れてしまう。
皆と居るのに孤独な気がして、ちょっと淋しくなってきた。
「あんま不安がるなよ。アンタが木兎を信じてやんなくて、誰が信じるんだ?」
そんな中、光太郎とペアを組む黒尾だけは味方をしてくれる。
「去年だってな、アンタを赤葦に取られんじゃねぇかって、最初はしょぼくれてたんだよ。でも、勝ったろ?」
その上、何気に嬉しい事まで教えてくれたから、淋しい気持ちなんかすぐに無くなった。