第20章 やっぱり派手なのがお好き
だけど、他の疑問が頭に浮かぶ。
「それなら、自分がミスコンに出れば良いのでは?」
目立つ事を、自らやる。
その方が、伝わりやすいだろ。
なのに、ミスコンを拒否したのは何故だ。
「ファイナリストにすらなれなかったら、壇上で喋る機会が無いかも知れないから、だって。自分に自信ないんだね。」
そんなもの、私にだってない。
確実に優勝して、かおるさんに役目を譲る為のポジションを会得出来ると思えない。
「そもそも論だけど、木兎さん達が今年も優勝するとは限らないんだよ。俺だって、この計画の為とはいえ、試合にわざと負ける気はない。
不確定要素が多すぎる一種の賭けだね。りらは、賭け事好きだよね。」
今からでも辞退してしまおうと、頭を過った考えは、すぐに消え去った。
やると言ったからには、やる。
それが、真っ直ぐ頑固に生きてきた私だ。
優勝出来るとは思えない。
だけど、優勝出来ないとは限らない。
ならば、少しの可能性でも賭けてやろうじゃないか。
「みつ、アンタとは顔が似てるから票が割れる。」
「大丈夫。私、本当はエントリーしてないよ。
見た目だけだと、私と姉ちゃんって優劣付けづらいの分かってたし。
もし姉ちゃんが、やっぱり出ないって言った時に、身代わりになるつもりだったしね。」
可能性を少しでも上げる為に苦手な頭を使ったつもりだったけど。
それを先に分かっていたみつの方が一枚上手だった。