第20章 やっぱり派手なのがお好き
‐りんside‐
私が先にコテージに来たのには理由がある。
それは、晩御飯の準備な訳がない。
だって、木葉&りらに任せた方が、美味しいもの作ってくれるしね。
「んー。やっぱり、ハート型が良いかな。」
「一部が消えたら欠けちゃうけど、良いの?」
「それは嫌だね。」
「そこで失敗するのも、木兎さんらしいと言えば、らしいけどね。」
「それ、私達の所為にされたら嫌じゃない?」
「…木兎さんなら、八つ当たりしてくるね。」
車の中でこんな会話をして、コテージに辿り着くなり準備を始めた。
私は庭のようになっている所で地面に円を書いて、コテージの2階から蛍くんがそれを眺めて指示をする。
うん、役目逆だって分かってるよ。
なんで私が、土いじりの汚れる方をやんなきゃならない訳?
とか、思ってるけど。
こっちを蛍くんにやらせたら適当な事をされそうで、任せられないから諦めた。
「丸、歪んでるよ。それに、そこだと木が近いから危ないんじゃない?
あぁ、もう。そんなに小さな円だと木兎さん火傷するって、分からないかな。」
だけど、指示をするだけだと思ってダメ出し連発されるのはイライラする。
それでも、なんとか満足いくレベルの円を完成させて。
その線の上に、ある物を並べて、私達の準備は完了した。