第20章 やっぱり派手なのがお好き
【優勝者には、夜に開催されるナイトビーチバレー大会で、賞品を贈呈する役目をやって頂きます】
チラシに書かれた一文。
だから、どうした。
これが、目立つのが大嫌いな私に無理矢理出場させる理由になると思ったのか。
馬鹿馬鹿しくて眉間に皺が寄る。
「…分かってないね。」
「りらに察して欲しいって、思った俺達が馬鹿だったね。」
私が話して貰わなきゃ分からない人間だと、2人は思い出したみたいだ。
だから、企んでいる事の全容を語ってくれる。
実は、主催者とはすでに話をしていて、ミスコン優勝者が譲ってくれたら別の人が壇上に上がっても良いと約束したようだ。
この大会を開催する人はノリで生きている所があったようで、あっさりオーケーをくれたらしい。
ただ、ミスコン優勝者が、その役目を譲ってくれるかは運次第。
確実にやりたいなら、実力で優勝狙える女を連れてこいって挑発されたって事だった。
何の意味があって、私達の内の誰かを壇上に上がらせたいか分からない。
「かおるさんが、ね。木兎さんは派手で目立つのが好きだから、自分も目立つ覚悟があるって示したいんだって。」
「もう派手でも目立っても良いから、早くプロポーズして欲しいんじゃない?」
この計画の主犯が誰か分かった瞬間、謎は解けた。