第20章 やっぱり派手なのがお好き
仕方無く出場する事にして、みつと一緒に受付に向かう。
ナンパ対策とか言って、赤葦さんが同行してくれた。
「りら、機嫌悪いね。」
「アキノリくんが、姉ちゃんの味方しなかったからでしょ?」
皆から離れた頃、2人から声が掛かる。
分かっているなら、話し掛けるな。
作り笑顔だけを見せて、不機嫌を肯定し、さっさと受付を済ませた。
「やっぱり姉ちゃんにも言っておいた方が…。」
「そうだね。本気で優勝取りにいって貰わないと困るから。」
すぐに皆の所へ戻ろうとた時に聞こえてきた会話。
気になって足を止める。
何を企んでるんだ、この2人は。
いや、2人だけじゃない。
秋紀も私のエントリーを促したからグルだ。
「何か、やる気?」
「やる気。ま、私がやるんじゃないけどね。」
「何をするの。」
回りくどい聞き方は苦手だ。
私に内容を伝える気はあったようだから、直球を投げてみた。
「りら、このミスコンの主催者、見て。」
赤葦さんの手にあるミスコンのチラシ。
端に書かれた主催者の名前には覚えがある。
「ナイトビーチバレー大会の主催者と同じですね。」
私の答えに頷いた赤葦さんは、チラシの上に指先を滑らせて、ある一点を示した。