第20章 やっぱり派手なのがお好き
その日まで、かなり期間があったから、土日に休みを取りづらい人…秋紀とか黒尾さんも、何とかなったようで。
9人揃って、やってきました神奈川県。
ビーチバレーの大会は、昨年と同じく夜からだったから、昼の内は海で遊ぶ事になり。
いい歳して、はしゃぎ回る木兎さんに付き合わされて、大会の前から疲れてしまいそうな予感がする。
だけど、海で遊ぶよりも木兎さんの気を引いたものがあって。
「…ミスコンテスト?」
こんなものの、チラシを持ってきやがった。
「そうだ!ここには、タイプの違う美女が4人!全員出たら、誰かミスになれんじゃね?」
「目立つのは嫌。」
「私も、ってか…この2人に見た目で勝てる気がしないわ。」
「確かに、勝てないよね。」
強引に女性陣を動かそうとした木兎さんを止めたのは、かおるさんとりんさん。
2人の視線は、私とみつに向いている。
私も目立ちたくはないし、お断りしようと思ったのだけど。
「じゃあ、私は参加!京治、いいよね?」
「勝手にしたら?」
「勿論、姉ちゃんも参加するよね?」
みつが乗り気で、私を巻き込みに掛かってきた。
嫌だから、助けを求めるように秋紀に目を向ける。
笑って返してくれたから、てっきりみつを説得してくれると思ったのに…。
「りらとみつ、一緒に出たら面白いんじゃね?りらは目立つの嫌いだけどさ、何事も経験だぞ。」
何故か、説得されたのは私の方でした。