第20章 やっぱり派手なのがお好き
やっと静かになった秋紀の部屋。
疲れを表現するように、秋紀がベッドに寝転がる。
「…しっかし、アイツもよくあんだけ考えるもんだよ。バカのクセに、こういう時だけは頭使うんだな。」
「勉強が出来なくても、好きな事なら考えたり出来る人は居る。」
「りらにとっての、料理みたいな?」
勉強出来ないのは認めるが、それを失礼とは思わないのか。
普段の自分の言動の方が酷いのは分かっているから、突っ込まないけど。
ちょっとイラッとはしてしまって、気を紛れさせようと部屋を掃除し始める。
秋紀、基本はあまり散らかさない人だけど、郵便物とか纏めて置きっ放しなんだよな。
未開封の封筒とかも置いたままか、捨てちゃうか。
重要なものがあったらどうする気だ。
そんな事を考えていると、やっぱり出てきた未開封の封筒。
親展ではないから、確認の為に中身を取り出す。
「…秋紀。黒尾さん、呼んでいい?」
「…は?」
「木兎さんの事、相談したい。」
「いきなり何だよ?その手紙、なんかヒントになるような事書いてあったか?」
私の手から紙が抜き取られた。
それを見ると、理解してくれたようで。
「りらにしては、イイコト思い付いたな。黒尾と…赤葦も呼ぼうぜ?」
協力して欲しいもう1人の人物の名前まで挙げてくれる。
だけど、流石に秋紀の部屋に何人も集まるのは狭くて苦しいから、話し合いは後日になった。