第20章 やっぱり派手なのがお好き
あの女子会以来、前にも増して木兎さんが五月蝿い。
理由は、かおるさんが結婚したいと思っている事を知ったからだと思う。
前々から、プロポーズのやり直し請求していたのだから、今更な感じしかしない。
それでも、私と秋紀に、相談という名の無謀な作戦を披露しにくるのだ。
「じゃあさ、じゃあさー!あの、ばーっ!って皆で踊るやつ、どうだ?」
「フラッシュモブか?あれ、やられる方はめっちゃ恥ずかしいみたいだぞ。前から派手なのは恥ずかしいから止めろって言われてんだろ?」
「かおるちゃんなら喜んでくれる!恥ずかしがってんじゃなくて、あれだ!照れ隠しだ!」
「とにかく却下。」
目の前で繰り広げられている木兎さんと秋紀のやり取り。
口を挟むと面倒臭い事になるから、黙って聞いていた。
「なんだよー。じゃあ、どーゆーのなら良いんだ?」
「シンプルイズベスト、じゃね?ちょっと良い飯食ってから、指輪持って結婚して下さいってな。」
「そんな地味なの、つまんねーじゃんか。」
「派手な必要性があるものでもないだろ。」
秋紀の意見に全面的に同意である。
そんな感じで、最後まで話が纏まらず、木兎さんは若干しょぼくれながら帰っていった。