第19章 たまには女子だけで
きとりちゃんが、質問を続ける側に居るのは不都合だ。
だって彼女には語るべき男がいない。
自分は無傷でいられるから、その内、エグい質問をしてくるに決まっている。
「そういえば、かおるさんは…結婚願望あるんですか。」
「…え?私?」
「はい。みつと、りんさんは決まりましたので、貴女はどうなのかと。」
別の人と話をする事で、質問タイムを回避した。
「…ない訳じゃないけど、光太郎が、ね。ほら、自分が楽しければ、私は喜ぶと思い込んでるから。
派手なプロポーズばっかり考えて、先に進まないのよ。そういうの止めて、って言ってるのに。」
「確かに、そんな事を話してましたね。」
「りらちゃんは?」
でも、内容的には逸らしていないから、私に話が返ってきて。
実はプロポーズはされたけど、断っている経緯を話してもいいのか、迷ってしまう。
さっき、みつが途中で止めた話にも関わるから、どうしたら良いか聞くように目を向けた。
「…姉ちゃんは、アキノリくんと生活したいって言ってたじゃん?それが、答えでいいんじゃない?
ほらー、結婚の話ばっかしてると、相手がいないきとりちゃんが不憫だよ?」
気付いてくれたらしく、私の代わりに、この結婚の話を終わらせてくれる。
ついでにきとりちゃんを攻撃してくれたのは、有り難いと思った。